噛みにくさを、入れ歯の形だけで判断しません。
- 「入れ歯を入れても、うまく噛めない」
- 「噛むと痛い、外れるのが気になる」
- 「何度作り直しても、しっくりこない」
- 「総入れ歯でも、噛めるようになるのだろうか」
こうしたお悩みを抱える方と、そのご家族に向けたページです。
同じように噛みにくさを感じていても、
残っている歯の状態、入れ歯を支える粘膜、骨の吸収の程度、顎の動きは一人ひとり異なります。
吉見歯科医院では、これまでの治療歴も確認し、お口全体の状態から入れ歯の治療方針を考えます。
私たちが大切にしているのは、
「まず測る。そして、顎の動きと支える組織に合わせて、入れ歯を設計する」
という考え方です。
骨格や顎の動きの検査情報を、人工歯の位置や噛み合わせ、入れ歯の構造に反映させます。
当院の入れ歯づくりの流れ
- ①
測る
骨格、顎の動き、残っている歯、粘膜の状態を調べます。
歯を失うまでの経過や、現在の入れ歯で困っていることも確認します。
- ②
設計する
検査結果をもとに、上下の顎の位置関係や噛み合わせを考えます。
同時に、入れ歯を支える歯や粘膜へ、どのように力を伝えるかを検討します。
- ③
形にする
模型の上で人工歯を並べ、フレームや歯肉の形を作ります。
院長が検査情報を確認しながら、設計・製作・調整に関わります。
- ④
確かめる
仮義歯で機能や見た目を確認し、最終的な入れ歯を検討します。
装着後も状態を確認し、必要に応じて調整します。
- ⑤
経過を見る
入れ歯を作ったあとも、調整や修理、経過の確認を続けます。
完成した日の状態と、その後に使い続けた状態の両方を大切にしています。
こんなお悩みはありませんか?
- 入れ歯の違和感や、見た目が気になる
- 入れ歯を使うと、顎にも違和感がある
- 総入れ歯になってから、噛み方が分からなくなった
こうしたお悩みを、現在のお口の状態やこれまでの治療と合わせて確認します。
症状があるからといって、必ず噛み合わせが原因とは限りません。
まず検査を行い、歯や粘膜、骨格、顎の動きのどこに問題があるかを確かめてから、治療方法を考えます。
なぜ、入れ歯でも詳しく検査するのでしょうか?
歯がなくても、顎は動いています
総入れ歯の方でも、顎関節は動いています。
歯がないことと、顎の動きを調べる必要がないことは、同じではありません。
当院では総入れ歯を作る場合も、骨格と顎関節のデータをもとに噛み合わせを考えます。
矯正、顎関節症治療、入れ歯づくりでは、使う装置や製作するものは異なります。
ただ、骨格や顎の動きを調べ、検査結果から噛み合わせを考えるという診査診断の基本は共通しています。
入れ歯では、さらに粘膜の性質や、力が加わったときの沈み込みも考慮します。
歯を失うまでの経過も確認します
入れ歯を作る前に、歯を失った原因を調べます。
当院では、清掃の状態だけでなく、噛む力や歯周組織の状態など、複数の要因を確認することが大切だと考えています。
残っている歯の治療が必要な場合には、その内容も治療計画に含めます。
入れ歯の形だけを決めるのではなく、支える側のお口の状態も確認したうえで、製作へ進みます。
顎の動きを測る
Cadiax(キャディアックス)
顎を開けたり閉じたりしたとき、左右の顎関節がどのように動くかを、3次元的に記録する装置です。
見た目だけでは分からない動きを、数値として確認します。
当院では、この情報を入れ歯の噛み合わせを検討するために使用します。
キャディアックスで記録できるのは、力を抜いた(脱力した)状態での顎関節の動きです。
ただ、力を抜いて噛んだときと、思いきり噛みしめたときとでは、歯茎(粘膜)に加わる力がまったく異なります。
そのため当院では、入れ歯づくりには、力を抜いた状態と、力が入った状態の両方の記録が必要だと考えています。
骨格を調べる
ラテラルセファロ
横顔のX線写真から、上顎と下顎の位置関係、顔の高さ、下顎の前後的位置などを確認します。
歯があった場所だけを見るのではなく、その土台となる骨格からお口の状態を調べます。
入れ歯では、上下の顎の間の高さや、人工歯を並べる面の向きを考えるための情報として使用します。
専門的には、噛んだときの上下の顎の高さを「咬合高径」、歯の噛む面をつないだ面を「咬合平面」と呼びます。
力が入った状態の顎の動きを記録する
ゴシックアーチトレーシング(口内法)
力が入った状態の顎関節の動きは、キャディアックスでは記録できません。
そこで、口内法のゴシックアーチトレーシングという方法で、最大の筋力に近い状態での顎関節の動きを記録します。
こうして記録した、力を抜いた状態と力が入った状態の顎関節のデータに、粘膜のデータを合わせて、入れ歯を設計します。
測った情報を、模型の上で再現する
ギルバッハ レファレンスSL咬合器
咬合器は、上下のお口の模型を取り付け、顎の位置や動きの関係を再現するための装置です。
当院では検査で測定した患者さん自身のデータを設定し、模型の上でも噛み合わせを確認します。
骨格分析や顎運動の記録をもとに、人工歯の位置や、噛む面の傾きを考えます。
測定した情報と、製作する入れ歯の形をつなぐための工程です。
残っている歯の状態を調べる
歯が残っている方では、歯の位置や傾き、接触の状態も確認します。
分割模型は、歯列の模型を一本ずつ分け、個々の歯を確認するためのものです。
検査は、お口の状態に合わせて選びます。
総入れ歯と部分入れ歯で、同じ検査をすべて一律に行うということではありません。
どの検査が必要か、その検査で何を確認するかをご説明します。
検査した情報を、入れ歯の形に反映させます
院内の技工室で、院長が設計・製作に関わります
当院には、診療室の隣に技工室があります。
入れ歯について、院長が検査結果をもとに、設計・製作・調整に関わります。
なぜ院内で行うのか。
それは、顎の動き、骨格、歯や粘膜の状態といった情報を、入れ歯の形に反映させたいからです。
診察で確認したことと、製作で行うことをつなげて考えます。
フレームは、力の伝わり方から考えます
フレームとは、入れ歯の骨組みとなる部分です。
同じ素材でも、断面の形を変えると、たわみやすさは変わります。
平たい板と、厚みを持たせたかまぼこ状の断面では、力を加えたときの動きが異なります。
当院では、全体を支えるために硬さが必要な部分と、力を逃がすために動きを考える部分を分けて設計します。
ただ頑丈にするということではなく、噛んだときに入れ歯がどう動き、その力がどこへ伝わるかを考えます。
設計の基礎としているのは、ウィーン大学のルドルフ・スラビチェック教授による義歯設計の考え方です。
有限要素法による解析をもとにした設計概念です。
有限要素法は、形を細かな部分に分け、力を加えたときの変形や力の分布を計算する方法です。
ここで大切にしているのは、入れ歯を支える歯や組織への負担を考えることです。
この設計概念をもとに、その方の歯や粘膜の状態に合わせてフレームを検討します。
歯と粘膜の動きの違いを考えます
部分入れ歯では、残っている歯と、歯のない場所の粘膜が支えになります。
噛む力が加わったとき、この二つは同じ量だけ動くわけではありません。
当院では、この違いも考慮して入れ歯を設計します。
入れ歯を支える歯を「鉤歯(こうし)」と呼びます。
その歯を引き上げる方向、傾ける方向、押す方向の力を考え、負担をできるだけ抑える構造を検討します。
アタッチメントは、入れ歯と支えになる部分をつなぐ装置です。
当院では、支える歯や粘膜の動きに合わせ、力の伝わり方を調節するために用います。
どの構造を採用するかは、お口の状態に応じて考えます。
着脱する方向も、製作の段階で調整します
入れ歯は、患者さんご自身で着け外しするものです。
当院では、入れ歯を出し入れする方向や、着脱時の感覚も考慮します。
製作では、ミーリングマシンという加工器具を使い、部品の平行性を調整します。
噛んだときの働きと、日々の着け外しの両方を考えて形を整えます。
素材と、構造を合わせて選びます
当院では、白金加金(プラチナゴールド)を用いた義歯や、白金加金とコバルトクロムを組み合わせたフレームを製作しています。
素材の名前だけで治療方法を決めるのではなく、必要な形や力の伝わり方を合わせて考えます。
たとえば、下顎の入れ歯の左右をつなぐ「リンガルバー」という部品では、中空の構造を取り入れた製作例があります。
当院では、必要な硬さを得るために、素材と断面の形の両方を検討しています。
人工歯の位置は、骨格と顎の動きから考えます
人工歯を並べることを「排列(はいれつ)」と呼びます。
当院では、骨格分析と顎の動きの記録をもとに、人工歯の位置や噛む面の傾きを検討します。
歯の並び方も、一人ひとり同じではありません。
骨格との関係を確認しながら、機能と見た目の両方を考えます。
歯と歯肉の形や色は、患者さんと相談しながら調整します。
歯肉にあたる部分も、色だけでなく細かな表面の形を作ります。
人工歯の並びと歯肉の造形を合わせ、お口の中に入るものとして仕上げていきます。
仮義歯は、機能を確かめるためのものです
仮義歯は、最終的な入れ歯を検討するための準備の段階です。
当院では、噛み合わせや機能、見た目を確認するために用います。
「仮だから簡単に作る」のではなく、最終的な入れ歯で必要となる働きを考えて製作します。
使っていて気になるところは、調整の際にお伝えください。
仮義歯で確認した内容を踏まえ、最終的な入れ歯を検討します。
回復できる機能や、使ったときの感覚には個人差があります。
細かな加工や修理も、院内で行います
金属と金属の接合には、高出力のレーザー溶接器を用いています。
レーザー溶接では、アルゴンガスの中で、純度の高い白金加金(プラチナゴールド)の線を、接合する金属(母材)と一体化させます。
アルゴンガスの中で接合するのは、接合する部分に酸化膜ができにくく、異物が混入しにくいようにするためです。
当院では、顕微鏡で製作物を拡大して確認します。
入れ歯を作る工程だけでなく、使用後の修理にも対応できるようにしています。
どのような修理が可能かは、入れ歯やお口の状態を確認して判断します。
総入れ歯と部分入れ歯、それぞれの考え方
総入れ歯では、粘膜の状態も確認します
総入れ歯では、入れ歯を支える粘膜の性質や、骨の吸収の程度を確認します。
歯を支えていた骨と粘膜の土台を「顎堤(がくてい)」と呼びます。
その形だけでなく、噛んだときの圧力の分散も考えます。
粘膜の形は、力を抜いているときと、力が入っているときとで変わります。
力を抜いた状態の粘膜の形、力が入った状態の粘膜の形、そしてその中間の状態も、入れ歯に表現することを目指します。
当院では、顎の動きと骨格の情報から噛み合わせを考えるとともに、粘膜の厚みや沈み込みの違いを設計に反映させます。
骨の吸収が大きい方でも、まず状態を調べ、どのような治療が考えられるかを検討します。
部分入れ歯では、残っている歯への力を考えます
部分入れ歯では、歯のないところを補うことと、残っている歯への力を考えることを合わせて行います。
支える歯に力が集中しないよう、フレームやアタッチメントの形を検討します。
製作後に歯の状態が変わった場合には、修理や人工歯の追加を検討することもあります。
そのため当院では、将来の変化への対応も考慮して素材や構造を選びます。
すべての入れ歯が同じ修理に対応できるわけではなく、その都度、状態を確認します。
写真:部分入れ歯
長く使うために、経過を確認します
入れ歯は、作ったら終わりではありません。
当院では、使用後の状態を確認し、必要に応じて調整や修理を行います。
製作時に考えたことが、実際の使用の中でどう変化するかを見ていきます。
長期的な経過を見据えて、力を抜いた状態と力が入った状態、両方のデータを精密に取り、精密に入れ歯に表現することを大切にしています。
入れ歯を支える骨は、時間とともに吸収することがあります。
そのため一般に、数年ごとにリライニング(裏打ち)が必要になることがあります。
当院では、その変化も考えて設計し、経過を確認します。
当院では、作製した入れ歯の経過を記録し、設計や製作方法を振り返り、必要な変更を考えるための情報にしています。
ただし、入れ歯の経過が、すべての方に同じように当てはまるわけではありません。
入れ歯を使える期間や経過には、個人差があります。
当院でも、慣れるまでの違和感、調整の必要、経年での作り直しについてご説明しています。
治療はどのように進みますか?
STEP 1初診コンサルテーション
現在のお悩みと、これまでの治療歴をお聞きします。
顎の動き、噛み合わせ、歯の状態を確認し、現時点の所見と、必要な検査をご説明します。
初診コンサルテーションの時間は、30分〜1時間が目安です。
STEP 2詳しい検査
骨格や顎の動き、歯と粘膜の状態を調べます。
検査結果を組み合わせ、入れ歯の噛み合わせと、それを支える組織の状態を確認します。
STEP 3治療計画をご説明
検査・診断をもとに、考えられる治療の選択肢と、費用・期間・回数をご説明します。
治療計画とお見積は、書面でお渡しします。
残っている歯の治療が必要な場合は、その内容も確認します。
STEP 4仮義歯で確認
仮義歯で機能や見た目を確認します。
製作したものを実際に使ったときの状態や、気になる点を確認しながら、最終的な入れ歯を検討します。
STEP 5最終的な入れ歯を製作・装着
検査情報と仮義歯で確認した内容をもとに、最終的な入れ歯を製作します。
装着後もお口の状態を確認し、必要に応じて調整します。
STEP 6使用後の経過を確認
その後も、入れ歯とお口の状態を確認します。
変化があれば、調整や修理、作り直しの必要性を検討します。
治療期間について
精密義歯の治療期間は、
3〜6か月
が目安です。
通院は
6〜10回
が目安です。
お口の状態や必要な処置によって、期間・回数は異なります。
検査・診断後に、その方の治療計画に沿ってご説明します。
残っている歯の治療が必要な場合もあるため、入れ歯の製作と合わせて確認します。
当院の治療が向かない場合もあります
当院では、骨格や顎の動きなどを調べ、その情報をもとに入れ歯を設計します。
そのため、検査を受けずに製作だけを希望される場合や、短期間・少ない通院回数での完了を優先される場合は、ご希望に沿えないことがあります。
また、骨の吸収の程度や残っている歯の状態によって、選べる治療方法は異なります。
検査によって、できることと難しいことを整理したうえで、治療方針をご説明します。
治療に伴うリスク・注意点
精密義歯でも、慣れるまで違和感が出ることがあります。
装着後に調整が必要となる場合や、経年によって作り直しが必要となる場合もあります。
治療後の状態や回復できる機能には、個人差があります。
入れ歯の状態は、お口や全身の環境の変化、経年による劣化などの影響を受けることがあります。
気になる変化があったときは、状態を確認して対応を検討します。
当院では、検査結果をもとに治療計画を立てます。
ただし、計画した目標と、実際に得られる機能や使い心地が、すべての方で同じになるわけではありません。
治療内容と注意点をご説明し、確認しながら進めます。
精密義歯は自由診療です。治療の期間・回数・費用・主なリスク・副作用について → 料金表
この治療で使う技術
入れ歯の検査・設計・製作で使っている技術です。それぞれのページで、しくみと当院での使い方、分かること・分からないことをご紹介しています。
治療で使う装置
よくあるご質問
- 入れ歯が合わないのは、噛み合わせが原因なのでしょうか?
症状だけで、噛み合わせが原因と決めることはできません。
歯や粘膜、骨の吸収の程度、顎の動き、これまでの治療歴を確認します。
そのうえで、何を調べ、どこを治療の目標にするかを考えます。
- 総入れ歯でも、噛めるようになるのでしょうか?
総入れ歯でも、骨格や顎の動きを測り、その情報から噛み合わせを設計することができます。
当院では、入れ歯を支える粘膜や骨の状態も合わせて確認します。
回復できる機能には個人差があるため、検査結果をもとに治療の選択肢をご説明します。
- 歯がないのに、どうして顎の検査をするのですか?
歯がなくても、顎関節は動いています。
総入れ歯の方にも、顎関節の症状が起こることがあります。
人工歯をどこに並べ、どのような噛み合わせを考えるかを検討するために、顎の動きや骨格を確認します。
- 部分入れ歯を支える歯への負担が心配です。
当院では、支える歯にどの方向の力が加わるかを考えて設計します。
歯と粘膜の動きの違いを踏まえ、フレームやアタッチメントの形を検討します。
設計だけですべての問題を防げるということではなく、製作後も歯と入れ歯の状態を確認します。
- 入れ歯にすると、見た目が変わってしまいますか?
歯と歯肉の形や色を、患者さんと相談しながら調整します。
当院では骨格や噛み合わせも確認し、機能と見た目の両方を考えます。
仮義歯で気になる点を確認し、最終的な入れ歯を検討します。
- 自分が使えるか不安です。仮の入れ歯で確かめられますか?
当院では、仮義歯で機能や見た目を確認します。
使っていて気になるところは、調整の際にお伝えください。
仮義歯を確認のための段階として用い、その情報を踏まえて最終的な入れ歯を考えます。
まずは「治療」ではなく、「状態を知る」ことから
長く続く噛みにくさや、入れ歯への不安があっても、最初から治療方法を決める必要はありません。
当院の初診は、現在のお口と顎の状態を確認し、現時点で分かることと、さらに必要な検査をご説明するところから始まります。
歯がどのくらい残っているか。
骨や粘膜はどのような状態か。
顎はどのように動いているか。
その情報を合わせて、治療の選択肢と費用・期間・回数をご説明します。
検査結果と治療計画を確認し、そのうえで治療を受けるかどうかを考えていただきます。
入れ歯の形を決める前に、まず、現在の状態を知ることを大切にしています。
関連する症例・考え方
相談・お問い合わせ
医療法人社団 耆婆会 吉見歯科医院
〒194-0001 東京都町田市つくし野1-29-1 スクエア2 302(3階)
TEL 042-795-1359 FAX 042-795-1398
診療日: 月・火・木・金 10:00–13:00 / 14:30–18:00
初診は、検査と診断を行う初診コンサルテーション(自由診療・30分〜1時間)から始まります。他院での診断についてのご相談も、この中でお受けします。
噛めない、症状が強いなど緊急の場合は、お電話(042-795-1359)でご相談ください。






































