分割模型とは
分割模型は、歯列の模型を歯と歯の間で切り分け、一本ずつ外して確かめられるようにした模型です。
当院では、噛み合わせを調べるときに、歯を一本ずつ確かめるために作ります。
模型から歯の部分を外し、また元の位置へ正確に戻せるようにする方法は、一般に、かぶせ物づくりで使われています。
そのときに外せるようにするのは、主に、かぶせ物をつくるために削った歯などの部分です。
当院の分割模型は、噛み合わせを調べるためのものです。
写真の模型では、歯列のすべての歯が、一本ずつに分かれています。
分割模型のしくみ
一般的な作り方を、4つの段階に分けてご紹介します。
- 歯型を取る:お口の歯並びの型(歯型)を取ります。
- 模型をつくる:歯型に石膏を流し込み、歯列の模型をつくります。
- 歯と歯の間で切り分ける:模型の歯を、一本ずつに切り分けます。
- 元の位置に戻せるようにする:切り分けた歯を、土台の上で元の位置へ戻せるようにします。一般には、金属のピン(ダウエルピン)などで位置を合わせます。
一本ずつ確かめること
分割模型では、次のことを、歯ごとに確かめます。
- 歯がどの方向を向いているか
- 歯がどれくらい傾いているか
- 歯の高さ
- 隣や、噛み合う歯との接触の状態
形をつくるときは、一本ずつの歯に、歯の山(咬頭〈こうとう〉)の斜面の角度を与えます。
この角度を、咬頭傾斜角といいます。
当院が分割模型を使う理由
歯を一本ずつ診断するため
噛み合わせの診査で分割模型を作るのは、歯並びの全体を見るだけでなく、一本ずつの歯を個別に診断するためです。
院長は、分割模型を、当院の噛み合わせの考え方(オーストリアン・ナソロジー)の、いちばん基本となる操作と位置づけています。
考え方について詳しくは、オーストリアン・ナソロジーのページをご覧ください。
歯ごとに、合う高さや角度が違うから
歯には、それぞれの歯に合った高さや角度があります。
歯の軸の向きも、一本ずつ違います。
そのため当院では、歯を一本ずつ別々に扱い、角度を考えます。
歯の山の角度を、一本ずつ決めるため
当院では、咬頭傾斜角を、一本ずつ設定します。
その角度は、顎関節の動きの記録などをもとに算出します。
すべての歯を別々に分けておくと、一本ずつに角度を与えることができます。
角度の算出と咬合器への設定は、ギルバッハ レファレンスSL咬合器のページでご紹介しています。
当院での実際
詳しい検査の中で
顎関節症・矯正では、詳しい検査の中で、歯型から分割模型をつくります。
料金表でも、「矯正検査(噛み合わせの検査)」の欄に、分割模型の写真を載せています。
患者さんにしていただくのは、歯型を取ることです。
すべての方に同じ検査を行うのではなく、症状やお口の状態に合わせて選びます。
顎関節症・矯正歯科
矯正の計画では、分割模型で確かめたことを、それぞれの歯を動かす方向を考える材料にします。
当院の矯正では、ループを曲げ込んだワイヤー(MEAW)で、一本ずつの歯の前後・左右・上下・傾きを考えながら動かします。
ワイヤーについては、MEAWのページをご覧ください。
入れ歯(歯が残っている方)
歯が残っている方の入れ歯では、残っている歯の位置や傾き、接触の状態も確かめます。
分割模型は、そのための記録の一つです。
かぶせ物
かぶせ物をつくるときは、分割模型の上で、歯の形をワックスでつくります(ワックスアップ)。
歯を一本ずつ外せるため、歯ごとに高さや角度を考えて形づくることができます。
ワックスでつくった形は、そのあとジルコニアなどの素材に置き換えます。
工程について詳しくは、ワックスアップのページをご覧ください。
ほかの技術と組み合わせる
歯の模型は、咬合器に取り付けて使います。
検査で測った値を咬合器に設定したうえで、顎の位置と動きの中での噛み合わせを確かめます。
咬合器に取り付けた模型の上で、一本の歯の噛む面の傾きを測ることもあります。
詳しくは、咬合平面の計測のページをご覧ください。
分割模型で分かること・分からないこと
分割模型で分かること
- 一本ずつの歯の向き・傾き・高さ
- 隣や、噛み合う歯との接触の状態
- 歯ごとの形を考えるための土台(ワックスアップ)
分からないこと・当院での補い方
| 分からないこと | 当院での補い方 |
|---|---|
| 顎関節の動き | キャディアックス |
| 骨格(上下の顎の位置関係・顔の高さ) | ラテラルセファロ分析 |
| 顎の位置と動きの中での噛み合わせ | ギルバッハ レファレンスSL咬合器に取り付けて確かめる |
| 寝ている間の歯の接触 | ブラックスチェッカー |
| 歯を支える歯ぐき(歯周組織)の状態 | 歯周ポケットの深さの検査など(歯周病のページ) |
| 模型の上で考えた形が、口の中で合うか | 仮歯・仮義歯を使っていただきながら確かめる |
模型の上で考えた噛み合わせが、本当にその方に合うかどうかは、実際に使ってみて分かることもあります。
そのため当院では、仮歯などを使っていただきながら確かめる段階を設けています。
よくあるご質問
- ふつうの歯の模型とは、何が違うのですか?
ふつうの模型は、歯列がひとつながりになっています。
分割模型は、歯と歯の間で切り分けてあり、一本ずつ外して確かめられます。
- 分割模型をつくるとき、患者さんは何をしますか?
歯型を取らせていただきます。
模型は、その歯型からつくります。
- どの検査に含まれていますか?
顎関節症・矯正では、詳しい検査の中でつくります。
料金表では、「矯正検査(噛み合わせの検査)」の欄に写真を載せています。通院の目安(2〜3回)は、この検査全体の回数です。
- 入れ歯やかぶせ物でも使いますか?
はい。歯が残っている方の入れ歯では、残っている歯を一本ずつ確かめるのに使います。
かぶせ物では、分割模型の上で、一本ずつ歯の形をつくります。
- 模型の上だけで、噛み合わせを決めるのですか?
いいえ。分割模型は、歯を一本ずつ確かめるための記録の一つです。
顎関節の動きや骨格の記録と合わせて考え、仮歯などを使っていただきながら確かめます。
関連する技術・治療
参考にした資料
一般的な説明(歯型を外せる模型の方式・用語)に、次の公開資料を参考にしました。当院のやり方は、院長の投稿・説明によるものです。
相談・お問い合わせ
医療法人社団 耆婆会 吉見歯科医院
〒194-0001 東京都町田市つくし野1-29-1 スクエア2 302(3階)
TEL 042-795-1359 FAX 042-795-1398
診療日: 月・火・木・金 10:00–13:00 / 14:30–18:00
初診は、検査と診断を行う初診コンサルテーション(自由診療・30分〜1時間)から始まります。他院での診断についてのご相談も、この中でお受けします。
噛めない、症状が強いなど緊急の場合は、お電話(042-795-1359)でご相談ください。






