アタッチメントとは

アタッチメントは、入れ歯と、それを支える歯とをつなぐ装置です。

当院では、部分入れ歯のほか、かぶせ物どうしをつなぐときにも使います。

アタッチメントの形は、どの歯で支え、どの向きに力を伝えるかを考えて、一人ひとり決めています。

模型の上の、金色のアタッチメント(拡大)
入れ歯と歯をつなぐアタッチメント(模型の上)

アタッチメントのしくみ

歯と粘膜では、沈み込む量が違う

部分入れ歯は、残っている歯と、歯のない所の粘膜(歯ぐき)の両方で支えられます。

噛む力がかかったときに沈み込む量は、歯と粘膜とで大きく違い、一般に、粘膜は歯の5〜10倍といわれています。

院長は、この違いを「10倍程度」とみて、力が一か所に偏らないように設計しています。

アタッチメントは、この沈み込みの違いを受け止めながら、入れ歯と支える歯をつなぐ部分です。

支える歯には、根の方向へ力を伝える

歯と歯の間の歯がない所を補う入れ歯は、噛むと、歯と同じように根の方向へ沈みます。

そのとき、支える歯にも根の方向へ力が伝わるように、アタッチメントの形を整えます。

形を整えるときには、パラレルミーリングで、面の向きをそろえます。

院長は、歯は骨の方向(根の方向)に押される力には自然に応える一方、歯を引き上げる向きの力は、小さくても体にとって自然ではない刺激になると考えています。

一般にも、部分入れ歯では、噛む力が歯の軸の方向(根の方向)に伝わるようなつなぎ方が大切だとされています。

支える歯の冠と、入れ歯のフレーム

アタッチメントを組み込んだ、部分入れ歯の金属のフレーム
アタッチメントを組み込んだ金属のフレーム

支える歯の側には、アタッチメントのついた冠をかぶせます。

入れ歯の側では、金属のフレームにアタッチメントを組み込みます。

白い歯が並んだ連結した冠の裏側に、金色の金属で箱の形の部分(アタッチメント)をつくったもの
アタッチメントのついた、連結した冠

当院がアタッチメントを使う理由

残っている歯と歯ぐきに、直接かかわる部品だから

アタッチメントには、残っている歯や、歯を支える歯ぐきなどの組織に、直接力がかかります。

そのため当院では、アタッチメントの形をどう設計するかを、入れ歯づくりのなかでも、とくに大切なことと考えています。

歯と粘膜の動きの違いを、ならしたいから

歯と粘膜の沈み込みの違いを、機械的に均等に分けて受け止める設計が必要だ、というのが院長の考えです。

この設計の考え方は、ウィーン大学のルドルフ・スラビチェック教授の義歯設計にもとづいています。

当院の噛み合わせと入れ歯の設計の考え方は、オーストリアン・ナソロジーのページでご紹介しています。

骨の動きを、妨げないため

上あごの骨は、真ん中の縫い目(正中口蓋縫合)をはさんで、左右が別々に働く、というのが院長の考えです。

そのため、上あごのすべての歯を一体につなぐのではなく、真ん中で左右を分けるアタッチメントを入れることがあります。

下あごでも、口の開け閉めにともなう骨の動きを妨げないように、真ん中にアタッチメントを入れた入れ歯があります。

当院での実際

アタッチメントを使った入れ歯ができるまで

おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 検査:顎の動き、骨格、入れ歯を支える粘膜、残っている歯の状態を調べます(キャディアックス・ゴシックアーチトレーシング・粘膜の記録など)。
  2. 設計:検査の結果をもとに、どの歯で支え、どこにアタッチメントを置くかを考えます。
  3. 仮の入れ歯で確かめる:仮の入れ歯にも、最終的な入れ歯と同じしくみを持たせ、使っていただきながら確かめます。
  4. 最終的な入れ歯をつくる:ワックスで形をつくって金属に置き換え(ワックスアップ・鋳造)、パラレルミーリングでアタッチメントの面を着け外しの方向にそろえます。
  5. 使い始めてから:点検と手入れを続け、必要に応じて調整や修理を行います。

検査の組み合わせや順番は、一人ひとりのお口の状態に合わせて決めます。

部分入れ歯で

アタッチメントを用いた部分入れ歯
アタッチメントを用いた部分入れ歯

部分入れ歯では、残っている歯にかぶせる冠と、入れ歯の金属のフレームとを、アタッチメントでつなぎます。

どの歯にアタッチメントを置くか、どの形を使うかは、お口の状態に応じて考えます。

かぶせ物で

ジルコニアのかぶせ物どうしを、アタッチメントでつないだもの
アタッチメントでつないだ、ジルコニアのかぶせ物

かぶせ物でも、左右を真ん中で分けるときや、かぶせ物どうしをつなぐときに、アタッチメントを使います。

種類の違うジルコニアでつくったかぶせ物どうしを、アタッチメントでつないだ例もあります。

ジルコニアについては、ジルコニアのかぶせ物のページでご説明しています。

使い始めてから

アタッチメントを使った入れ歯では、精度を高くつくることとあわせて、使い始めてからの点検と手入れ(メインテナンス)を繰り返すことを大切にしています。

アタッチメントを入れ歯に接合する修理は、院内の技工室のレーザー溶接で行います。

どのような修理ができるかは、入れ歯とお口の状態を確かめて判断します。

レーザー溶接器の接眼レンズをのぞきながら、アタッチメントを接合している院長
レーザー溶接器での接合

アタッチメントでできること・できないこと

アタッチメントでできること

  • 入れ歯と、支える歯をつなぐこと
  • 歯と粘膜の沈み込みの違いを受け止め、支える歯に伝わる力の向きを整えること
  • 左右を真ん中で分け、骨の動きを妨げないことを意図した設計にすること
  • かぶせ物どうしを、つなぐこと

できないこと・当院での補い方

できないこと当院での補い方
支える歯への負担を、なくすこと根の方向へ力が伝わるように設計し、使い始めてからも点検と手入れを続けます
年月とともに起こる、歯や粘膜の変化を止めること経過を確かめ、調整や修理(レーザー溶接)、作り直しを検討します
どの方にも、同じ形のアタッチメントを使うこと歯・粘膜・顎の動きを検査し、その方のお口に合わせて形を選びます
模型の上だけで、お口の中での働きを確かめること仮の入れ歯を使っていただき、確かめます

入れ歯の主なリスク・副作用には、慣れるまでの違和感、調整の必要、経年での作り直しがあります。

ジルコニアのかぶせ物の主なリスク・副作用には、知覚過敏、破損・脱離があります。

治療後の状態は、全身やお口の環境の変化、経年による劣化などの影響を受けることがあります。

よくあるご質問

アタッチメントは、入れ歯の金属のバネ(留め具)とは違うのですか?

どちらも、入れ歯を歯にとどめるための部分です。

当院のアタッチメントは、歯と粘膜の沈み込みの違いや、支える歯に伝わる力の向きを考えて、一人ひとり形を決めて組み込みます。

どのような場合に使いますか?

部分入れ歯で、支える歯が残っている場合などに使います。かぶせ物どうしをつなぐときにも使います。

使うかどうか、どの形を使うかは、検査をしたうえで判断します。

壊れたときは、修理できますか?

アタッチメントを入れ歯に接合する修理を、院内の技工室で行っています。

どのような修理ができるかは、入れ歯とお口の状態を確かめて判断します。

使い始めてからの手入れは必要ですか?

はい。精度を高くつくることとあわせて、点検と手入れ(メインテナンス)を繰り返すことを大切にしています。

上あごの入れ歯やかぶせ物を、真ん中で分けることがあるのはなぜですか?

上あごの骨は、真ん中の縫い目をはさんで左右が別々に働く、というのが院長の考えです。

その動きを妨げないように、真ん中で左右を分けるアタッチメントを入れることがあります。

参考にした資料

一般的な説明(部分入れ歯の支えられ方・歯と粘膜の沈み込みの違い)に、次の公開資料を参考にしました。当院のやり方は、院長の説明によるものです。

相談・お問い合わせ

医療法人社団 耆婆会 吉見歯科医院
〒194-0001 東京都町田市つくし野1-29-1 スクエア2 302(3階)
TEL 042-795-1359 FAX 042-795-1398
診療日: 月・火・木・金 10:00–13:00 / 14:30–18:00

初診は、検査と診断を行う初診コンサルテーション(自由診療・30分〜1時間)から始まります。他院での診断についてのご相談も、この中でお受けします。

噛めない、症状が強いなど緊急の場合は、お電話(042-795-1359)でご相談ください。

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