歯科用マイクロスコープとは
歯科用マイクロスコープは、治療する部分を拡大し、光を当てて見るための、歯科用の顕微鏡です。
歯科用顕微鏡とも呼ばれます。
当院では、根管治療、かぶせ物の確認、仮歯や完成した歯の確認、歯周病の処置に使っています。
歯科用マイクロスコープのしくみ
一般的な歯科用マイクロスコープのしくみを、見るまでの流れに沿ってご紹介します。
- 光を当てる:照明の光を、対物レンズを通して、治療する部分に当てます。
- 倍率を切り替える:つまみを回したり、ズームを使ったりして、倍率を変えます。
- 両目でのぞく:左右の接眼レンズからのぞき、拡大した部分を立体的に見ます。接眼レンズは、見る人の視力に合わせて調整できます。
- 画面に映す・記録する:カメラをつなぐと、見ている像をモニターに映したり、写真や動画として記録したりできます。
一般に、倍率を上げると、細かな所は大きく見えますが、一度に見える範囲は狭くなり、ピントの合う奥行き(被写界深度)も浅くなります。
そのため一般には、全体の位置を確かめるときは低い倍率、細かな所を見るときは高い倍率というように、目的に合わせて切り替えて使われます。
当院では、マイクロスコープで拡大した像を、治療の画像を映すモニターにも映して確かめています。
当院が歯科用マイクロスコープを使う理由
歯を、繊細なセンサーと考えているから
院長は、歯を、食べ物を噛むだけでなく、細かな感覚を受け取るセンサーだと考えています。
その歯を扱うには、治療する部分をよく見て、細かな処置を重ねることが必要だと考えているため、マイクロスコープを使っています。
根の中には、細かな構造があるから
根管治療で相手にするものには、歯の亀裂や、根の先の近くで枝分かれした細い管(根尖側枝)など、肉眼では捉えにくいものがあります。
マイクロスコープは、こうした所を拡大し、光を当てて確かめるために使います。
境目や、歯に付いたものを確かめるため
かぶせ物では、歯との境目や合い方(適合)を拡大して確かめます。
歯周病の処置では、歯の周りに付いた歯垢(しこう)や歯石を、拡大して見ながら取り除きます。
当院での実際
どの治療で、何を見るか
治療の種類と、確かめたいものに合わせて使います。
| 治療 | 使う場面 | 見るもの |
|---|---|---|
| 根管治療 | 根管の中を処置し、根の先の状態を確かめるとき | 根管の形、根の先の開口部、歯の亀裂など |
| かぶせ物 | かぶせ物の合い方を確かめるとき | かぶせ物と歯の境目、そこにすき間がないか |
| 仮歯・完成した歯 | 仮歯や完成した歯を確かめるとき | 形と仕上がり |
| 歯周病の処置 | 歯の周りに付いたものを取り除くとき | 歯垢や歯石 |
根管治療では
「マイクロスコープエンド」は、根管の先にある出口(根尖口)を、マイクロスコープで直接見ながら進める根管治療の呼び方です。
根管治療の工程は、根管治療のページの「当院の根の治療の進め方」でご説明しています。
かぶせ物・仮歯・完成した歯では
かぶせ物は、歯との間にすき間がないか、合い方を拡大して確かめます。
仮歯や完成した歯も、マイクロスコープで確かめます。
マイクロスコープで分かるのは、拡大した部分の形や境目です。
かぶせ物が噛み合わせや顎の動きに合っているかは、顎の動きの記録と咬合器をもとに考えます(下の「分からないこと」の表)。
技工室の顕微鏡との違い
このページのマイクロスコープは、お口の中の治療する部分を見るための機器です。
お口の外で、技工物を拡大して見ながら作業する顕微鏡は、技工用の実体顕微鏡のページでご紹介しています。
歯科用マイクロスコープで分かること・分からないこと
歯科用マイクロスコープで分かること
- 光を当てた治療する部分の、拡大した立体的な像
- 根管の入口、根管の形、歯の亀裂など、見える範囲の細かな形
- かぶせ物と歯の境目や、合い方
- 歯の周りに付いた歯垢や歯石
分からないこと・当院での補い方
マイクロスコープは、見るための機器です。
一般に、倍率を上げるほど、一度に見える範囲は狭くなります。
下の奥歯などでは、見る角度や姿勢のとり方が難しい場合があることも、報告されています。
拡大して見えることが、歯を残せることや、治療のあとの経過を約束するものではありません。
結果には個人差があります。
根管や亀裂の状態によっては、再治療や抜歯が必要になる場合もあります。
目で見るだけでは分からないことは、次のように補います。
| 分からないこと | 当院での補い方 |
|---|---|
| かぶせ物が、噛み合わせや顎の動きに合っているか | キャディアックスで顎の動きを記録し、咬合器をもとに形を決めます |
| お口の外での、技工物の細かな形 | 技工用の実体顕微鏡で確かめます |
| 決めた形が、使ったときに合っているか | 仮歯を使っていただきながら確かめます |
よくあるご質問
- 歯科用マイクロスコープは、電子顕微鏡ですか?
いいえ。
レンズと光で、治療する部分を拡大して見る顕微鏡です。
カメラを取り付けると、見ている像をモニターにも映せます。
- 根管治療だけに使う機器ですか?
いいえ。
当院では、根管治療のほか、かぶせ物の合い方、仮歯や完成した歯の確認、歯周病の処置にも使っています。
- マイクロスコープで見ている像は、モニターにも映りますか?
はい。
当院では、拡大した像を、治療の画像を映すモニターにも映して確かめています。
- マイクロスコープだけでは、分からないこともありますか?
あります。
マイクロスコープで分かるのは、拡大した部分の形や境目です。
かぶせ物が噛み合わせや顎の動きに合っているかは、キャディアックスの記録と咬合器をもとに考えます。
- マイクロスコープを使えば、歯を残せるのでしょうか?
マイクロスコープは、根管の形や根の先、亀裂などを拡大して確かめるための機器です。
そこで分かったことは、歯を残すことを目指した治療を考える材料になります。
ただ、根管や亀裂の状態によって見通しは異なり、再治療や抜歯が必要になることもあります。
関連する技術・治療
参考にした資料
一般的なしくみ(光の当て方・倍率・両目で見るしくみ・記録)と、倍率による見え方の変化に、次の公開資料を参考にしました。当院のやり方は、院長の投稿と今のサイトの説明によるものです。
- Cordero I. Understanding and caring for an operating microscope. Community Eye Health. 2014;27(85):17(英語)
- Low JF, Mohd Dom TN, Baharin SA. Magnification in endodontics: A review of its application and acceptance among dental practitioners. Eur J Dent. 2018;12(4):610-616(英語)
- Chauhan S, et al. Magnification: The game changer in dentistry. World J Methodol. 2025;15(2):100937(英語)
- American Association of Endodontists「The Dental Operating Microscope in Endodontics」Endodontics: Colleagues for Excellence, Winter 2016(英語・PDF)
相談・お問い合わせ
医療法人社団 耆婆会 吉見歯科医院
〒194-0001 東京都町田市つくし野1-29-1 スクエア2 302(3階)
TEL 042-795-1359 FAX 042-795-1398
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初診は、検査と診断を行う初診コンサルテーション(自由診療・30分〜1時間)から始まります。他院での診断についてのご相談も、この中でお受けします。
噛めない、症状が強いなど緊急の場合は、お電話(042-795-1359)でご相談ください。



